「婦人像」

ジャン=マルク・ナティエ 81×65p 油彩・カンヴァス 

とってもきれいだね



美しいお城の中。美しい音楽が流れ、すばらしい絵がかざられ、
人々ははなやかによそおいます。貴族たちは、有名な画家をよんで、
自分の姿を描かせました。カメラのなかった時代のお話です。
画家には、その人をもっとも美しく気高い姿で描くことが、もとめられました。



ジャン=マルク・ナティエ 1685-1766
18世紀前半のフランス。ロココ芸術華やかなりしルイ15世の宮廷では、女性が台頭し、文化全体に女性的傾向が見受けられる。男性もまた装いを凝らし、女性と華美を競い、演劇や仮装舞踏会を催すことが習慣となった。また、肖像画を依頼することが一種の流行となり、様々な肖像画が描かれた。扮装趣味の反映であろうか、特に女神や妖精などに扮装した女性の肖像が多く見られる。若さや美しさ、そして権威を絵にとどめることは、宮廷人の最大の関心事でもあった。その中にあって、ナティエの描く歴史的肖像は王女や貴夫人たちに賞賛され、寵愛を受ける。典雅でやや冷たい色調によって表現される女性とその衣装は、ロココ趣味の典型と言えよう。だが、巧みな筆到で描かれたその作品には、単に写真の代わりの肖像画と言うにとどまることのない、鋭い人物把握さえ見る事ができる。