「闘うクーサ」ムガール絵画 12.9×20.9p インドミニアチュール 1616
神さまの国の絵。400年も昔にかかれたんだよ。
インドミニアチュールとは…インド国では宗教画が多いのです。神様や王様の様子が細密な技法で描かれていることが特徴です。イスラム教徒の皇帝が築いたムガール帝国絵画と、主にヒンドゥー教を信仰する土着の諸藩主たちが擁護・発展させたラージプト絵画に大別されます。

ヒンドゥー教のお話には、10とおりにも変身できるビシュヌという神様が登場します。
神様ビシュヌが変身したラーマには、クーサとラーヴァという息子がいました。
ある日、ラーヴァが敵につかまってしまいます。ここには、クーサがラーヴァをたすけるために、
敵の戦士と闘っているようすが描かれています。
インドでは、強くて大きなゾウは、闘いのときにも使われていたのですね。
ムガール絵画
ムガール絵画は宮廷絵画として描かれ、写実的で細密な作風である。それは、様々な様式の融合の上に築き上げられた特色であった。16世紀後半、イスラム教徒である第3皇帝アクバルによって本格的な宮廷画院が創設される。そして次第に、画院に働く多くのインド人画家によって、ヒンドゥー教に根ざした土着的特徴を持つ作品も生み出されてゆくことになる。さらにイエズス会の使節によって伝えられた西洋絵画も、大きな影響を及ぼしてゆく。こうして真のムガール様式は、はじまりを告げる。ムガールの発展に欠くことのできないものは、写本挿絵である。挿絵はペルシャのみならず、インドの多くの物語や詩にも使われている。遠近法を用いた大胆な構図や動きのある表現、繊細な描写は正統的なムガール様式である。『闘うクーサ』は、ヒンドゥー教の大叙事詩のペルシャ語訳写本の挿絵として描かれた作品である。時を経て、今世紀に至るまで、その魅力は失われることなく、輝いている。