「クッションの上の猫」テオフィル=アレクサンドル・スタンラン 48.2×58p 5色刷りのリトグラフ・紙 1909
何を見ているのかな?

花の都パリ。芸術の都パリ。パリは、とてもはなやかな街です。
お酒をのんだり、おどったり、おしゃべりをしたり……。
スタンランは、そんなパリの生活を描きました。
ローズ色のソファーに横たわるネコは、路地裏のネコとはちがい、
裕福なムードがありますね。まんぞくそうな瞳でこちらをみつめています。
テオフィル=アレクサンドル・スタンラン 1859-1923
パリの生活を題材に描いた風俗画家、アレクサンドル・スタンラン。スイスのローザンヌに生まれた彼は、19才でパリに出る。20世紀初頭、パリは芸術を愛する若者たちの自由奔放な熱気に包まれていた。彼が住んだモンマルトル、そこは、この時代を象徴するエコール・ド・パリの芸術家たちの聖地であった。何ものにも縛られず、自我と個性のままに独自の道を作り上げる若者たち。その刺激に満ちた世界でスタンランが見出したもの、それは諷刺画であった。活気と喧騒に身をまかせる人間たちを描いた作品を、各種の新聞に提供する。中でも、キャバレーに集う庶民の姿は、彼の作品の格好の材料であった。1911年、ユーモアのある人という意味をもった諷刺新聞を創刊。野生を忘れ、人間社会にどっぷりと漬かったこの猫の姿。それは、彼自身の目に写る人間の姿なのだろうか。