「器」

竹内 浩一 130×162cm 紙本着色 1988


泣いているのかな?



器とは、いれものという意味の他に、人物の大きさという意味もあります。
竹内浩一は、動物の姿に自分をかさねて描きます。このカバはどんな風にみえますか?
動物をとりまく、空気や気配もじっと目をこらしてみてごらんなさい。
すきとおった静けさの中に、動物の鳴き声や風の音が聞こえるでしょう?


1941〜
新しい日本画壇を担う画家、竹内浩一。伝統的な写生画を基に、独自の世界を生み出す。京都の型染め友禅を生業とする家に生まれた彼は、家業を継ぐため美術工芸科のある高校に入り、日本画を学ぶ。卒業後、職業デザイナーとなった彼は純粋絵画としての日本画の魅力を忘れられず、次第に作家としての道を歩むこととなる。1966年(昭和41)山口華楊が主宰していた晨鳥社に入塾。25才であった。1972年(昭和47)に日展初入選を遂げて以来、数々の受賞を果たす。彼の描く鳥や草木、それらは実に美しく繊細である。だが彼が真に描こうとするもの、それは単なる美しさではなく、風や空気といった目には見えない自然の気配である。淡い色調の中にリズム感あふれる彼の世界は、一陣の風のようにあくまでもすがすがしく透明である。